任意後見制度について

悲しいことではありますが、年齢を重ねるごとに人間はだんだんと様々な能力が衰えていきます。現代社会においては、それをフォローするための制度や技術として様々なものがありますが、今回は「任意後見制度」についてみていきます。

任意後見制度とは、一人で物事を決められるうちに、すなわち意思能力(有効な契約を結べるために必要な判断能力)を有している間に、将来そういった能力が不十分になった場合(認知症や障害など)に備えて、あらかじめ自分で選んだ人(任意後見人)に代わりにやってもらいたい内容を契約(任意後見契約)で決めておく制度です。

ご存じの方も多いと思いますが、任意後見制度以外にも成年後見等の法定後見制度があります。各制度にはそれぞれのメリット・デメリットがありますので、ここでは任意後見制度のメリット・デメリットについて述べます。
※メリット
1.本人の自由意思に基づいて契約を締結するため、任意後見人の人選や契約内容について自らが望む内容で契約を締結できる
2.契約内容が登記されるため、勝手に改変されたりすることがない
3.家庭裁判所において任意後見監督人が選出されるため、任意後見人が契約にしたがって活動しているか、第三者のチェックが入る
※デメリット
4.法定後見制度と異なり、取消権がない
5.当事者の死亡で契約が終了するため、死後の処理を委任できない
6.財産管理委任契約と異なり、精神上の障害による判断能力の低下の場合しか利用できない
もっとも5については同時に死後事務委任契約を締結することによってカバー可能ですし、実際、そうするケースが一般的です。

それでは任意後見制度を利用する場合には、どのような手続が必要となるのでしょうか。次回はそれらについて触れる予定です(→書きました)。